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吉原食糧株式会社
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小麦と日本の“食”

【レポート : どうなる?日本の食糧 (6)】 ~オーストラリア産小麦の実情

さて、【どうなる?日本の食糧】連載の今回は、ASWを中心にしたオーストラリア産小麦の動向に目を向けてみましょう。
先日、オーストラリア産小麦について情報提供があった内容に加え、去年の小麦の生育状況、収穫状況も含めて書いてみたいと思います。
最初に記しておきたいことは、オーストラリア産小麦全てが、最近うどん用小麦として名が知られてきた、ASW(オーストラリアン・スタンダード・ホワイト)ではなく、ASWはオーストラリア産小麦生産量全体の約4%程度を占める程度の、日本向けの独自仕様の小麦であるということです。

オーストラリア地図(1).jpg

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オーストラリア全体の小麦生産量は、5年間の平均で2,150万tです。
日本の年間小麦消費量(国内産小麦も含めて)約570万tですから、その生産量の大きさがわかります。
ただし、このオーストラリアの2,150万tという小麦生産数量は、
   (1) パン用として使われる、高たんぱく含有の硬質小麦(通称:強力(きょうりき)小麦)
   (2) 強力小麦に準ずるたんぱく量を含む準強力小麦(日本では、主に中華麺用に使用されます。)
   (3) 日本のうどんに向く中間質小麦(通称:中力(ちゅうりき)小麦)
   (4) パスタに使用されるデュラム小麦....等
も含まれるオーストラリア全体の小麦生産数量であり、日本のうどん用途仕様の小麦(通称:ASW「オーストラリアン・スタンダード・ホワイト」)の生産量のみではありません。

オーストラリア国内の小麦消費量は、平年で年間約500万t(内、250万tが食糧用、 250万tが飼料用)です。ただし、干ばつ時には他の穀物をカバーするため消費量は増える傾向にあり、この2年は600万t程度に国内消費は増加しています。

うどん用として、日本向けに輸出されるASWは、西オーストラリア州域で収穫されますが、西オーストラリア州全体の5年間の平均収穫量は、820万t。
この数字には、日本向け規格のうどん用小麦(品種:ヌードル・バラエティとAPWの配合=ASW)だけではなく、全小麦品種の総計です。


オーストラリア地図(1).gif


さて、一昨年収穫期(2006年11月)のオーストラリア全体の小麦収穫量は約950万tで、近年平均(2,150万t)の半分以下となりました。これは干ばつによる影響です。そして、直近の収穫である去年は?
実は、去年夏、8月時点での収穫見込みは、政府機関:2,240万t 民間機関:2,370万で 約2300万tの収穫予想となっていました。オーストラリアの平均2,150万tを150万t上回る大豊作の予想だったのです。

ただし、それは8月後半以降の降雨があれば、といういわば条件付きでした。
結果として、直近(去年秋)の収穫量は約1,260万t。近年平均収穫量の60%弱でした。8月後半以降、ASWの収穫地である西オーストラリア州のASW生育地域に特に降雨が少なかったのです。

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日本へ輸出されるASWは82万t~85万tです。オーストラリア全体の小麦生産量や、西豪州の小麦生産量からみても、決して大きな数量ではありません。
しかし、このように2年続いた干ばつによる生産減によって、2008年のASW輸出状況について日本側の懸念がありましたが、9月以降の現地での降雨で挽回し、下方修正の見込みよりは多く収穫され、日本向けASWの輸入量は問題のないことが発表されました。
当社では、更に細かな小麦品質の把握に努め、製品の品質安定に向けて対応していきます。

オーストラリアではこの2年間、確かに気候環境の変化が起きており、極端に降雨が少ないエリアが発生しています。特定エリアには降雨がほとんどない時期が一定期間続きますが、そのエリア周辺には豊富な降雨がある、という現象がこの2年に起きています。

個人的な感想ですが、オーストラリア大陸の中で降雨が極端に少ないエリアが固定されはじめるのではないか、ということが懸念されます。

一方、オーストラリアでは「ラニーナ現象」(エルニーニョの逆現象で、海面温度が下がる現象。このことがオーストラリア中央部や東部において雨が多くなる天候へのシフトの可能性があるという議論がある。)が始まるのではないかとの見方があり、大雨が降る可能性もあると言われていますが、これは更なる検証を待たなければならないでしょう。

オーストラリア産小麦「ASW」について、実際に西オーストラリア州の現地を訪問した時のレポートはここにアップしています。ただし、干ばつとなる一年前の2005年11月の訪問です。
ご興味のある方はどうぞお読みください。

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<その他の日本が輸入しているオーストラリア産小麦について>

オーストラリア産小麦のうち、日本に輸入される「プライムハード」(準強力小麦)という小麦があります。日本では、主に中華麺用に使用されています。

日本向けプライムハード(小麦)は、ブリスベン周辺(クィーンズランド州)で収穫されますが、2007年(去年)4~5月に殆ど雨がなく、その後も降雨が少なくかなり厳しい収穫状況になりました。
2007年8月時点でのこの地域の収穫予想は、約85万t。5年平均は100万tなので、15万t減(-15%)でした。
この地域の小麦生産もかなり厳しい収穫状況となりました。

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                                                             (R.Yoshihara

掲載日 : 2008年1月24日