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吉原食糧株式会社
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小麦と日本の“食”

【レポート : どうなる?日本の食糧 (2)】 ~穀物と食糧の新しい時代

はや10月。でも、今年の秋は、なかなか涼しくなりませんね。

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米国・ブラジル等で、非食糧用途のバイオ・エタノール用原料に使われ始めた穀物。米国ブッシュ政権が本腰を入れているこの流れは世界中の穀物市場と生産地で、大きな影響と変化を与えています。トウモロコシ、大豆、小麦をはじめ世界の穀物相場はかつて経験したことがない価格上昇の一途をたどっています。
ところが先日、米国でバイオ・エタノールの主原料に使われ、上昇を続けていたトウモロコシ相場が続落するという動きがありました。

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米国農務省(USDA)発表の米国のトモウロコシの期末在庫(予想)量について今年(2007年)1月から見てみると、1~3月まで対前年比-62%、4月で-55%、5~6月は+1%でほぼ同じ水準まで持ち直し、7~8月は+32%程度、9月には+47%となっています。

畜産農家が飼料を、コスト高となったトウモロコシから牧草に切り替える動きを強めていること等買い控えに加えて、生産量拡大が加わりトウモロコシの需給バランスは当面、 更に在庫積み増しとなる見通しが立ちます。この9月から新しい収穫期に入りましたが、今年度は更に生産量拡大が見込まれるでしょう。
これらの需給データから市場では、現在のトウモロコシ相場は割高であると見方が出始めていることが、今回の続落の背景にあるようですね。

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現在、米国では129のバイオ・エタノ-ル生産施設があり、今後10年で石油代替燃料の使用を5倍に増やす計画を発表しています。エタノール生産量が急速に増えればかなり激しい競争が発生し、原料のトウモロコシにも価格下げへの力がかかる可能性は十分に考えられます。
現に今回の続落は、既にその兆候を示しているという見方もあるのです。

一方、小麦相場は過去最高値を更新する展開を続けていて、トウモロコシ相場がこうした動きと連動する必然性は必ずしも高くはありませんが、小麦相場が過去最高値更新を続ける中で、独りだけ「安」となるのは難しい情勢であるのも確かなようです。今のところは。

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   【2005年11月 オーストラリア産小麦の収穫】

さて、新興の“熱(ヒート)”に沸く「勃興する代替燃料産業」の原料として捉える場合のトウモロコシと、世界の食糧たる小麦とは、穀物としての意味合いが当然違います。

人類の主食である小麦は、ごく基本的なシステムとして、食糧としての需給バランスによって相場が決まるものです。世界の小麦の供給と需要の動向、小麦在庫を基本にして価格が決まるのが基本。

最近の小麦の相場高騰の根底には、気候・環境の変化による生産量の不安定さと、世界的な需要量の(微)増加傾向があります。そこに“売り買い”における不安心理や投機目的や、ある種の力(Power something ?)が加わるので穀物市場の動きとしては、非常に激しく、複雑な要因によって動いているように見えるのかもしれませんが。

現在の世界各地の小麦生産については、オーストラリアやEU内にかなり厳しい状況の国・地域があり、それらいろいろな要素がどう相場に影響を与えていくのか.......

実は中国は言われるほどの相場の変動要因ではなく、この3年間は安定した小麦の需給バランスを保っています。むしろインドが、小麦の輸入関税を下げたことや国内需要の増加により、1年間で日本の年間消費量分程度の小麦を一気に輸入増加しています。

最近の動きとして、世界的に供給見通しの下方修正が相次ぐ中、中東やアフリカ地区からパニック的な買いが相場を押し上げているという見方もあるようですが、その辺りは冷静に今後見ていく必要があると思います。

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本来なら「食糧」と「エネルギー」という異種の市場だったものが重なり始めた中での複雑な力関係、小麦の需給バランスが序々に変化していく兆候、多くの思惑と投機意欲。

世界の穀物市場を覆う“熱(ヒート)”は、はたして冷めていくのでしょうか。

「穀物と食糧の新しい時代」では、一見激しく見える穀物市場の動きの瞬間を切り取りながら、その根底に在るものと、その先をクールに見極めていく必要があるのでしょう。


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 【西オーストラリア フリーマントル港のクイナナ穀物ターミナル近くの海岸にて】


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                                                             (R.Yoshihara)

掲載日 : 2007年10月 5日